8月13日(土)、大河ドラマ「どうする家康」プレミアムトークin小牧市が開催され、なんと、イベント開催前に秀吉役のムロツヨシさんと信雄役の浜野謙太さんが、小牧山を訪れてくださいました!
お二人は、山頂の小牧山歴史館の展望室から濃尾平野を一望。
「小牧・長久手の合戦」で秀吉軍の砦となった岩崎山砦を見つけると、
「こんなに近い距離でにらみ合っていたんですね」と当時の合戦の緊迫した状況を実感されていました。
そのあとは、小牧山南側の復元土塁を見学。高さ8mの壁が2重にも連なる土塁を、ヘルメットをかぶり一気に駆け上がってくださいました。秀吉役のムロツヨシさんが敵方、信雄役の浜野謙太さんに手を差し伸べる場面も。戦国時代ではあり得ない光景です!
ムロさんは「こんなに高い土塁を一つ越えてもまだ小牧山に侵入できないなんて、絶望ですね。秀吉が小牧山城を攻めなかった理由がわかった気がします。」とお話されていました。
織田信長の後継者争いで、かつて戦った豊臣秀吉と織田信雄。令和の秀吉と信雄の小牧山訪問は、終始笑顔となりました。
※土塁への進入は特別な許可を得て撮影をしています。
【トークショー本番の様子】
第1部では、大河ドラマ「どうする家康」の時代考証を担当する平山優さんが登場し「徳川家康の賭け 秀吉との対決」をテーマに語りました。講話の中では、小牧・長久手の戦いに至るまでの経緯や、合戦時の両軍の布陣などを図解で紹介しながら語りました。この戦いがひとつのきっかけになり、織田家による政権が終わり秀吉による政権が誕生していったと話して締めくくりました。
第2部では、ムロツヨシさん、浜野謙太さんが登場。これまでの放送を振り返り、ムロさんは「家康と信長の距離感が印象的。信長を演じた岡田准一さんの芝居には、家康との確執と友情を強く感じた」。浜野さんは「家康がどんどん賢くなっていく。“白ウサギ”と言われるほど頼りなかった家康の役目が織田信雄に移っていくような気がして、心なごむ人もいるのかなと思う」と話しました。
ムロさんは自らの秀吉像について「信長様に絶対的な信頼を抱き、その中で生きられればいいと思っていたが、この人は自分の才能を見抜いてくれるからこそ自分を出してもいいんだと思い始める。結果的に“ダークピエロ”になっていくが、笑われていた人間がいつのまにか天下人になれてしまったという事実を、古沢(良太)さんの脚本は描いているのだと思う。家康・信長と秀吉はいびつな三角関係」と分析。浜野さんは信雄役について「劣等感のかたまりのようで、自分に近い役。偉大な人が近くにいるところも同じで、僕の半生に似ていると思う。かえって演じにくかった」と明かしました。そんな浜野さんの言葉に、ムロさんは「秀吉にとっては利用価値があり、感情操作しやすい人」とニヤリ。浜野さんは「秀吉というより、ムロさんが怖かった」と話しました。
家康を演じる松本潤さんについて、浜野さんは「一定の温かさがある。信雄もそう思っていたと思う。撮影現場で配置などもどんどん提案する姿に、今まで演出なども手掛けてきた経験が生かされているんだと驚いた」。ムロさんは「作品を背負う不安が自信となり、背中が大きくなっていく姿をそばで見ていた。白ウサギが本当にタヌキになっていくのか、皆さんの目で見届けてほしい」とそれぞれ語りました。
今後の展開の見どころについて、浜野さんは「小牧・長久手の戦いは知識としてはあったが、こんなに面白いのか!と。家康のすごさと成長も感じられ、戦国好きとしてもワクワクした」と話し、ムロさんは「なぜ小牧・長久手の戦いが重要視されているのか、なぜ秀吉がこれをプラスに働かせられたのかも楽しんでもらえると思う。“ダークピエロ”ががんばりますのでぜひ見ていただきたい」と強くアピールしました。
また会場からの質疑応答で、方言について質問されたムロさんは「尾張弁を知らなかったので、大げさに演じると関西弁に寄ってしまい難しかった。岡田さん、松本さんが本番直前、耳元でわざと違うイントネーションでせりふを言ってくるので混乱した。初登場シーンは早口の尾張弁で何度も NG を出してしまった思い出がある」とのエピソードを披露。
さらに今までの役で最も自分に近い役を問われ「どれもムロツヨシで、自分でも分からない。だから僕は明日も演じるんでしょうね」と俳優人生を振り返る一幕も。
ムロさん、浜野さんの掛け合いの面白さと軽妙なトークに、会場は終始笑いに包まれていました。