小牧山の自然観察日記執筆者「清水豊」先生のインタビュー動画はこちら!
このページでは不定期更新にて小牧山の自然観察日記を発信しています。
【7月17日更新】
梅雨の晴れ間の7月9日、小雨が降る14日に小牧山ふもとを歩きました。ふもと北のトチノキ近くにあるコナラは幹のあちこちで樹液が出ていました。樹液を好む虫たちにとってはごちそう、そんなところから私は昆虫レストランと呼んでいます。夜のレストランを昆虫酒場と呼ぶ人もいます。
昆虫レストランで目立ったのはアカボシゴマダラ、近くにはカナブンの仲間も
全部で3頭のアカボシゴマダラがいました。
上の方にはゴマダラチョウも。在来種のアカボシゴマダラは奄美大島に生息しますが、小牧山にいるアカボシゴマダラは中国から持ち込まれた外来種。そのためアカボシゴマダラとの競合によるゴマダラチョウの減少が懸念されています。この日の観察でもアカボシゴマダラ4頭に対しゴマダラチョウは1頭で今季初めての観察に。
カリンの実に飛来したアカボシゴマダラ。
昆虫レストランのお客さまたち。
2日間とも鳴き声が聞こえたクマゼミは撮れましたが、ニイニイゼミは撮れませんでした。
外来種のキマダラカメムシと幼虫。
外来種のアメリカオニアザミ。
サルスベリの花にヒメトラハナムグリ。
前夜に咲きしぼんだカラスウリの花。夕方見に行くと、レースのような白い花びらを見ることができます。
つぼみができ始めたクサギの葉には蜂のように見えるヨツスジハナカミキリ。ヨツスジトラカミキリは黄色と黒の模様でアシナガバチ類に擬態。毒を持つアシナガバチに擬態することで、外敵から身を守っています。
ヤブミョウガにマメコガネ。
間もなく梅雨明け、暑くなりますが小牧山の日陰を歩きませんか。
【7月9日更新】
7月4日、クマゼミやニイニイゼミの鳴き声が聞こえはじめた小牧山。市役所前の土塁にいたヒメアカタテハから観察スタート。
大手道の徳川源明公墓碑から土の道を歩くと、地面を飛び交う小さな虫たち。立ち止まると虫たちも静止、それをカメラで確認すると前回紹介したヒメハンミョウ。発生時期のように思います。
地面から飛び立ち草の葉にとまるものも。
中腹の桜の馬場に近づくと、薄暗い木立の中から甲高いピィーピィーというオオタカ幼鳥の鳴き声が聞こえました。木立の中に入りその姿を探しました。すると運よく私から見える位置に姿が見え、1枚だけですが撮影することができました。
遊歩道沿いの木の葉にカタツムリ。
獲物をゲットしたクモ。
オオシオカラトンボのメス。
トイレの壁や青年の家の玄関にナナフシ。
次回はセミの姿を紹介したいと思います。
【6月28日更新】
前回100回目の原稿となったことを記念し中日新聞の取材を受けました。その記事が6月20日、近郊版に掲載されました。4年に一度くらいのわりあいで、近郊版に大きく載せていただいています。
6月25日、山頂歴史館へ上る階段をアサギマダラのようにふわふわ飛ぶ蝶。アサギマダラと思いましたが、階段にとまった姿を見るとアカボシゴマダラ。もともとは奄美諸島のみ生息していましたが、近年、中国から持ち込まれたと思われる別亜種が、関東や東北・東海・近畿で繁殖し、分布域を広げています。
撮影後、木の葉上にとまりました。
山頂にはヒメアカタテハも。
遊歩道脇にヒルガオの花。
大手道脇の葉に10ミリほどの小さなヒメハンミョウがいました。
蜂に似た蛾の仲間、コスカシバも。
近くにはセミに近い仲間のアミガサハゴロモやダンゴムシ。
白いツユクサ、トキワツユクサ。
ヤブミョウガの花も、ヤブミョウガはミョウガとは違う種類の植物。
中腹の草原ではアブの仲間やキマダラセセリ。
五段坂を下っていく遊歩道脇でカマキリの幼虫。
カメムシの仲間やホタルガも。
薄暗い場所で咲くムラサキニガナ。
同じ場所に緑色と茶色のナナフシ。幼虫のとき明るい場所で育つと緑色、暗い場所で育つと茶色になるとか。
アオスジアゲハのカップル。
クチナシの花が見ごろに。
梅雨に入り蒸し暑い日が多くなりました。暑さ対策をし小牧山ウオーキングはいかがですか。
【6月15日更新】連載第100号!!
この観察記録を書き始め3年、今回100回目の原稿になります。
山頂付近の発掘調査が進むと同時に石垣の復元が進められています。
今年の3月末、新たに山頂下南の石垣が復元されました。
5月初旬、その復元石垣に登っていくと石垣の岩からカワセミが飛び立ちました。
カワセミといえば河川や池などでよく出会う小鳥、水場のないこんな山の上にいるのは不思議。
その後、5月24日に復元石垣の岩にいるカワセミを観察
撮影途中、岩の上の枝にとまり飛び去っていきました。
6月7日にも同じ岩にカワセミがいました。
観察仲間から情報では同じ場所で雌雄のカワセミを見たとのこと、残念ながら私は出会うチャンスに恵まれません。
上の写真のカワセミのくちばしには泥が、ひょっとしたら小牧山の崖で巣作り・子育てをしているのではしれませんね。
岩場の近くをウオーキングのみなさんが通りますが、カワセミにはまったく気づいていないようす。
6月に入りふもとのクチナシが咲き始めました。
中腹遊歩道脇、試験官ブラシのような白いズイナの花も。
アジサイの花は見ごろに。
ちょっと油断していたらサカキの花は終盤に。
色づきはじめたヤマモモの実。
ふもと北のギボウシは間もなく見ごろに。
ナナフシの幼虫も大きくなってきました。
緑色の個体とよく出会いますが、茶色の個体もいます。
体色の違いは生育場所の違いとか…。
シオカラトンボのカップル、夏には次の世代が登場。
梅雨入り間近、お天気のよい日に小牧山ウオーキングはいかがですか。
【5月13日更新】
GW中に3日間、小牧山を歩きました。そのころふもとで見ごろだったウツギやトチノキにはアオスジアゲハが飛来。
タニウツギやシャリンバイ、トキワサンザシの花も咲き始めていました。
観察中、上空にオオタカが飛来することもありました。最近オオタカの鳴き声を聞いたり、飛ぶ姿に出会う機会が多いように思います。オオタカの近くを飛んでいるのはドバト。
高いところで咲いているセンダン。
桜の馬場横の大手道ではアゲハチョウの仲間を観察。クロアゲハ。
モンキアゲハ。
ナガサキアゲハ
シジミチョウの仲間のトラフシジミ。
トイレの壁にはクサカゲロウやガの仲間、小さなカタツムリ。
テイカカズラの花も咲き始めました。
さわやかな天気の日に小牧山に足を運んでみませんか。雨上がりあとには大きなカタツムリも。
ふもとから山全体を見ると黄金色に咲くツブラジイ。
1週間ごとに雨の降る天気が続いています。
お天気がよい日に小牧山へ出かけませんか。
【4月17日更新】
4月16日、数日続いた好天の中休みの小牧山で自然観察。歩き始め30分ほどすると、雨がポツリ・ポツリ。
街路沿いの花壇のシランが咲き始めました。
同じ花壇のウツギは白い花。
大手道のシャガ。
道沿いのツツジの花数が増えてきました。
桜の花が終わり、次の主役は小牧市の花のツツジに。
桜の馬場の桜にはスズメやヒヨドリ。
低木のオウバイの黄色い花が目を引きます。
前回観察した桜の葉を見るとナナフシの数が増えていました。
さわやかな天気の日に小牧山に足を運んでみませんか。
【4月15日更新】
4月12日、満開を過ぎ散り始めた桜の小牧山で自然観察。この日も歩いたのはふもとだけ。
道路沿いのツツジが咲き始めました。
品種によっては数多く咲いているツツジも。
信号機近くの土手のシャガ。
ヤマブキ。
トチノキ近くのグミ。
見ごろの八重桜。
タブノキにも花。
トチノキのつぼみが大きくなってきました。
マユミのつぼみ。
落葉樹のエノキやケヤキの若葉。
常緑樹のクスノキは古い葉を落とし若葉が。
2月に白い花をつけていたウメには実が。
タンポポの綿帽子。
毎年桜の花が散り始め、葉が出るころにふ化するナナフシ。
キアゲハ。
ルリタテハ。
ムラサキシジミ。
気温が上昇し春本番、これからは昆虫観察も楽しい時期になります。
【4月9日更新】
4月5日、満開近い桜を見に小牧山へ出かけました。この日歩いたのはふもとだけ。
梅園横の桜には数十羽のメジロが飛来。
スプリングエフェメラルのムラサキケマンが咲き始めていました。
枝のようすが面白いニシキギに若葉。
アカメガシワにも赤い若葉。
トチノキにも若葉。
小牧山にマツの木が何本あるかご存知ですか。
クスノキやツブラジイの巨木もあります。
大きな木の枝葉はお互いが出しゃばらずジグソーパズルのように。
4月7日はさくらまつりの自然観察ガイドボランテイア。
【4月3日更新】
先週金曜日から好天が続き気温が高くなり一気に春めいてきました。
小牧山の桜花も咲き始め、場所によっては五分咲きくらいになってきたところもあります。
花数を増やした桜には蜜を吸いにメジロが飛来。
ヒヨドリもようすを見に来ていました。
アオキの雄花はあちこちで開花、雌花も咲き始めました。
大手道登り口ではシャガも咲き始めました。
徳川源明公の土手にはキランソウ。
桜の馬場のカエデにも目立たない小さな花。
ツツジの仲間の開花準備もスタート。
れきしる前のハナカイドウ。
ふもと北の芝生広場のカリン。
キチョウ。
ルリシジミ。
桜の季節があっという間に通り過ぎていきそう。
【4月1日更新】
3月29日、朝降っていた雨が9時ころには上がったので小牧山に出かけました。枝垂れ桜は花数を増し、ソメイヨシノは咲き始めてきました。
アオキの雄花。
コブシ。
小鳥の群れが活発に活動、シジュウカラ。
四季桜にメジロの群れ。
コゲラも登場。
常連の小鳥たちだけでなく、夏鳥のセンダイムシクイもいました。
花見の季節到来!小牧山はみなさんのお越しを待っていますよ。
令和4年4月~令和5年3月の観察日記はこちらから♪
<筆者自己紹介>
清水 豊(しみず ゆたか) ニックネームは校長
1951年、小牧生まれ。
小学生の頃、近所の友人たちと小牧山でクワガタ採り、自宅近くの小川のザリガニ釣りなどで遊びました。
高校で昆虫博士の同級生と出会い、昆虫採集や標本作りに目覚めました。
大学で生物学を専攻し生物同好会の観察会に参加する一方、同級生と昆虫採集旅行に出かけました。
教職についてから昆虫採集ができなくなり、教育委員会主催の親子で自然に親しむ会の講師を行いようになりました。
教職10年目頃、自然に関する知識を増やそうと野鳥写真を撮り始めました。
学校週5日制が始まった時、子どもたちの社会教育の場について考え自然観察指導員の資格を取得しました。
定年退職後、身近な自然を子どもたちに紹介する観察会を行うと同時に小牧市近隣の自然の記録写真を撮り始めました。